特集 分子標的薬を極める
各論
膠原病・自己炎症症候群―関節炎 全身型JIA・成人発症スチル病
清水 正樹
1
SHIMIZU Masaki
1
1東京医科歯科大学大学院発生発達病態学(小児科)
pp.201-204
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000759
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はじめに
全身型若年性特発性関節炎(systemic juvenile idiopathic arthritis:s-JIA)は,2週間以上続く弛張熱を伴い,リウマトイド疹,全身のリンパ節腫脹,肝腫大または脾腫大,漿膜炎のうち,1つ以上の症候を伴う関節炎と定義されている。もともとはスチル病とよばれていた疾患であり,16歳以上の成人に発症する成人発症スチル病(adult-onset Still’s disease:AOSD)と共通の病態を有する。両疾患はともに自然免疫の異常を背景とする自己炎症性疾患と考えられており,その病態には,インターロイキン(interleukin:IL)-1β,IL-6,IL-18の過剰産生が深く関与している1)。近年これらのサイトカインを分子標的とした生物学的製剤が臨床応用され,劇的ともいえる効果を示している。本稿では,s-JIAおよびAOSDと,両疾患の重篤な合併症であるマクロファージ活性化症候群(macrophage activation syndrome:MAS)に対する分子標的薬について概説する。
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