特集 分子標的薬を極める
総論
分子標的薬のこれから 核酸医薬―RNAに作用する分子標的薬
井上 貴雄
1
INOUE Takao
1
1国立医薬品食品衛生研究所遺伝子医薬部
pp.185-191
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000756
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はじめに
アンチセンス,small interfering RNA(siRNA)に代表される核酸医薬は,これまで治療が難しかった疾患に対する新しい分子標的薬として注目を集めている。核酸医薬はタンパク質を標的とする従来の低分子医薬や抗体医薬とは異なり,「RNA」を標的にできる点が特色である(図1,表1)。これまで核酸医薬は生体内において分解されやすい点などが問題であったが,修飾核酸技術や薬物送達技術が進展したことから,安定で有効性の高い候補品が次々と開発されており,2022年8月現在,16品目の核酸医薬が承認・上市されている(表2)。本稿では,いま脚光を浴びている核酸医薬について,その特徴や作用機序,開発例を紹介する。
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