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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
2.ことばの遅れ
Speech Delay
小倉 加恵子
1,2
OGURA Kaeko
1,2
1鳥取県子育て・人財局家庭支援課
2国立成育医療研究センターこころの診療部
pp.698-702
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000635
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1 基本病因,発症機序
ことばは,音声や文字などの記号によって情報を伝達するシステムである。子供が発育する過程において人と豊かに交わり,感情をかわしあい,経験を分かち合うなかで,運動・感覚,社会性,情緒,認知などの発達と相互に不可分な形で連関しながら育まれる。そして,獲得したことばが今度は,他者とのかかわり方,自己制御,自我の芽生え,感情の客観化,概念や知識の形成など,心理社会性の発達に影響する。ことばの発達には,心理的・情緒的に安定した環境が重要である。ことばの遅れへの対応は,医学的診断とともに,発達の全体像や,家庭を中心とした子供を取り巻く環境など,視野を広げた総合的な診療が必要となる。
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