綜説
言葉の発達の遅れと遺伝性疾患
森貞 直哉
1
1兵庫県立こども病院臨床遺伝科
キーワード:
難聴
,
知的障害
,
構音障害
,
遺伝カウンセリング
Keyword:
難聴
,
知的障害
,
構音障害
,
遺伝カウンセリング
pp.45-51
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001601
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小児科医が言葉の発達の遅れについての相談を受ける機会はきわめて多い.言葉の発達の遅れの原因として,① 難聴,② 知的障害,③ 構音障害と,④ 子どもをとりまく環境の問題が挙げられる.このうち,①〜③ については一部の症例で遺伝性疾患が関係していることが明らかになっている.遺伝学的診断によって適切な対処法や,患者の予後,家系内再発の有無が予測できることがある.一方で,遺伝学的診断は親や同胞,将来の子にも影響することがあり,遺伝学的検査の前後には遺伝カウンセリングが受けられるように配慮することが必要である.
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