Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅴ.骨・運動器疾患
13.二分脊椎
Spina bifida
河本 和泉
1
KOMOTO Izumi
1
1兵庫県立こども病院整形外科
pp.643-647
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000625
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 基本病因,発症機序
母体内での脊椎骨の形成不全により後方要素が癒合せず分離しており,脊髄が脊柱管内にとどまっていない状態である。病因としては栄養因子として母体の妊娠初期の葉酸不足,環境因子としてバルプロ酸やカルバマゼピン製剤など抗てんかん薬の服用,また二分脊椎の妊娠既往歴を有する女性では,再び懐妊する確率が10倍以上高く遺伝因子も指摘されており,多因子が複合的に関与すると考えられている。男女比は1:1.2と女性にやや多く,わが国における発生率は0.05%と先進国のなかでは高いが,適切な葉酸摂取により発症リスクを40~80%低減することができるため,さらなる啓蒙が必要である1, 2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.