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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅴ.骨・運動器疾患
14.多発性関節拘縮症
Arthrogryposis, Arthrogryposis multiplex congenita
柿崎 潤
1
KAKIZAKI Jun
1
1千葉県こども病院整形外科
pp.648-653
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000626
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1 病態生理
多発性関節拘縮症の原因は多くの因子で生じる。現在では400を超える特定された病態が知られている。これらの共通点は胎児の子宮内運動の欠如(胎児の無動症)や減少であり,結果として関節周囲の線維化や拘縮を生じ,さらに筋萎縮などを生じるという点(図1)1)である1, 2)。胎児無動症の病因としては,神経筋疾患,母体疾患や薬剤,子宮内拘束・子宮内血流障害,結合織疾患・骨系統疾患,神経筋接合部異常などが挙げられている。推定発生率は3,000~5,000出生に1人の割合であると見積もられている1, 3)。多発性関節拘縮症の約50%は遺伝子異常があるとされており,遠位型多発性関節拘縮症は常染色体顕性(優性)遺伝の形式をとることがある。
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