特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
膠原病・リウマチ性疾患・自己炎症性疾患 若年性特発性関節炎
森 雅亮
1
MORI Masaaki
1
1聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.1598-1604
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000401
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
若年性特発性関節炎(juvenile idiopathic arthritis:JIA)の診療は,この20年間で飛躍的に発展し,早期診断・早期治療介入により治癒を目指した医療体制が展開可能となった。新規の免疫抑制薬や生物学的製剤の登場は,これまで主としてグルココルチコイド(GC)のみに依存していた治療体系から,より疾患活動性を抑制しかつ成長期の小児に対して極力維持のステロイド量を抑える治療へとパラダイムシフトを起こした。その結果,再燃・増悪による入院は減り,疾患による関節機能障害やステロイドによる副作用も軽減し,日常生活動作(ADL)は向上し,患者にとってより意欲的な日常生活を送れるようになった。治療の進歩とともに,小児膠原病患者や家族の求める生活の質は確実により高いものとなった1,2)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.