特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
内分泌疾患 性分化疾患
惠谷 ゆり
1
ETANI Yuri
1
1大阪母子医療センター消化器・内分泌科
pp.1551-1555
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000392
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疾患の定義
性分化疾患(disorders of sex development:DSD)は,性腺および性器の発育が非典型的である状態と定義され,臨床的には男女の性別判定が困難な外性器異常を呈することが多い。具体的にはマイクロペニスあるいは陰核肥大,二分陰囊や陰囊低形成,陰唇癒合,尿道下裂や精巣の非触知,性腺を触れる鼠径ヘルニア,腟盲端や共通泌尿生殖洞の存在,外陰部の色素沈着などの所見を認めた場合はDSDを疑い,慎重に性別判定を行う必要がある1)。DSDに含まれる疾患はTurner症候群やKlinefelter症候群,21水酸化酵素欠損症など比較的頻度の高い疾患から,卵精巣性DSDやアンドロゲン不応症などのまれな疾患まで非常に多岐にわたる1,2)。染色体からみたDSD分類を表11)に示す。
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