特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
各専門領域における小児期発症慢性疾患の成人移行支援の取り組みの現状
神経疾患
望月 秀樹
1
MOCHIZUKI Hideki
1
1大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
pp.1485-1488
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000376
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はじめに
日本神経学会における小児-成人移行医療への対応は,他学会に比較して遅いといわざるをえない。理由としては,神経内科が内科のsubspecialityになったため,小児神経専門医を,神経内科専門医資格では取得できなくなった。それにより,日本神経学会では小児神経を目指す医師が非常に少なくなり,小児神経を勉強する機会が減少し,小児-成人移行医療に関しても問題にされることはなかった。2020年当時,日本神経学会理事長であった戸田達史先生は,福山型筋ジストロフィーの専門家で,日本小児神経学会でも理事として活躍されていた。そのために,この問題に対しては熟知されており,理事長として委員会設立の重要性を考えて小児-成人移行医療対策特別委員会(特別委員会)を設立された。このメンバーは,脳神経内科医のみならず小児神経の専門医の先生方にも参画いただいた(表)。
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