特集 病態から考える薬物療法
第Ⅲ章 紅斑症・好中球関連皮膚疾患
1 多形紅斑
門野 岳史
1
Takafumi KADONO
1
1聖マリアンナ医科大学,皮膚科
キーワード:
ヘルペスウイルス
,
マイコプラズマ
,
COVID-19
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
JAK阻害薬
Keyword:
ヘルペスウイルス
,
マイコプラズマ
,
COVID-19
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
JAK阻害薬
pp.666-669
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003245
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多形紅斑(erythema multiforme,以下EM)は名前の通り,皮疹の形状がそのまま病名になっている疾患である。手背や足背,膝や肘などの四肢の関節部を中心に滲出性紅斑や,浮腫性紅斑が多発する(図1-a)。この浮腫性紅斑は,軽度隆起し,同心円に類似した紅斑を形成するため,標的状病変(target lesion),もしくは虹彩状(iris formation)とよばれる(図1-b)。また,炎症が強い場合は小水疱や水疱を形成するようになる。こうした多形な紅斑が新旧混ざってみられるのがEMの臨床的特徴である。EMは多くの場合は数週間程度で改善することが多いが,再発を繰り返すこともまれではない。
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