特集 発達障害への多様な支援~あれが知りたい・これも知りたい~
支援のコツ
感覚・運動アプローチのコツ―対応の具体例について
松本 政悦
1
MATSUMOTO Masaetsu
1
1横浜市北部地域療育センター
pp.1163-1166
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000283
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感覚調整障害とは?
発達障害児の多くに,感覚の問題があることが知られている1)。よくみられる感覚の問題の例は,ある種の音(聴覚)や臭い(嗅覚)を過度に嫌がる,偏食が強く特定の食品しか食べない(味覚),手が汚れることを嫌う,特定の衣類しか着たがらない,散髪や洗髪・爪切りを嫌がる(触覚),回転するものや縞模様を見つめ続ける(視覚),ブランコやトランポリンがやめられない(前庭覚),つま先立ちで歩く,強い圧迫を好む(固有受容覚)などである。定型発達の子どもでも,このような特徴が一時的にみられることはあるが,発達障害児の場合はこれらが長期間持続し,しばしば日常生活を送るうえでの支障となり,時に本人の生きづらさの原因にもなる。感覚統合の分野では,これらは感覚情報を処理・調整する中枢神経系の障害であるとして「感覚調整障害」とよんでいる2)。
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