Special feature 感染対策成功のための皮膚の清潔・健康管理
■医療環境の空調・換気整備
❹クリニックで対応可能な換気方法の具体例
西田 典子
1
1地方独立行政法人奈良県立病院機構奈良県西和医療センター看護部感染対策室 看護主任 感染管理認定看護師
pp.21-26
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000363
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奈良県西和医療センター(当センター)では2020年1月から,一般外来とは別の建物に設置している「SARS相談室」で新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)の帰国者接触者外来の対応を始めた。そして,5月には県内の発熱患者の増加に伴い,確実に治療に繋ぐことを目的とした診察室4室,処置室2室,CT室の設備を備えたプレハブ型の発熱外来クリニックを患者駐車場に開設した(図1)。2020年秋には,地域の発熱外来認定医療機関が少なかったため,対応できるクリニックを増やす目的で地域のクリニックを対象とした研修会を開催し,換気や個人防護具(PPE)の着脱方法を指導した。COVID-19の診療の手引き8.1版では医療機関における感染対策の考え方として,感染者,濃厚接触者・COVID-19疑い患者に対して,標準予防策・接触感染予防策・飛沫感染予防策・エアロゾル対策を示している。エアロゾル対策では室内換気を徹底するとし,「十分な機械換気,または,窓やドアから風を入れる」と示してる。一方でこれまで第1波から第7波にかけて得られた知見をもとに感染対策も改変されてきた。その時々の状況において,地域のクリニックより感染対策の相談を受け,実際にどのように換気をするか,サーキュレーターの使用方法,患者の動線など直接現地にも赴き指導した。当センターと地域医療機関が共に取り組んできた感染対策について紹介する。
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