特集 プライマリケアにおける単純X線検査―ここまで読影することができる
胸部:概論
シルエットサインとその原理
堤 義之
1
TSUTSUMI Yoshiyuki
1
1国立成育医療研究センター放射線診断科
pp.397-399
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000086
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シルエットサインとは
胸部単純X線における臓器の輪郭は隣接する構造のX線吸収の違いにより形成されている。シルエットサイン(silhouette sign)は1950年にFelsonらにより命名されたサインで,心臓,大動脈,横隔膜の輪郭(境界)に接して同程度のX線吸収(濃度)の病変があると,胸部単純X線でこれら臓器の輪郭(境界)が不明瞭化(loss of silhouette)する現象をいい,シルエットサイン陽性と表現される。これら臓器の輪郭(境界)と接していない胸郭内病変では,その辺縁が不明瞭化することはない。胸部単純X線を読影するうえで,非常に重要なサインの一つであり,とくに病変の局在の評価に役に立つ。
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