連載 今日から始めるDevelopmental Care 一歩先行く援助者をめざして・3
ストレスサインと安定化のサイン
森口 紀子
1
1神奈川県立こども医療センター・新生児病棟
pp.540-545
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100229
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赤ちゃんの能力(competency)の意味
前回の山川孔先生の稿1)では,「赤ちゃんは賢い存在である!」ということが述べられていました。そこで,本稿では,どのように賢いのかということを中心に述べていきたいと思います。
看護職の方にはお馴染みであるワトソンは,ナイチンゲールの唱えた「自己治癒力」を高めるために環境を整えることを看護における不変的なものとし,人と環境との相互作用,ケアリング,個人・政治・社会・科学などとの相互作用を提案してきました2)。これは,早産児の人や環境との相互作用論をとくAlsのサイナクティブモデル3,4)とも非常に近いものがあるのではないかと思います。このナイチンゲールの述べた「自己治癒力」を,Newborn Individualized Developmental Care and Assessment Program(以後,NIDCAP®)では,competency4)と表現しています。英和辞書5)によると,同じような「能力」という単語が以下のように区別されています。
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