特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅱ.新生児編
(6)入院中〔循環〕
142.チアノーゼ性心疾患でSpO2は何パーセントまで許容できる?
与田 仁志
1
Hitoshi Yoda
1
1東邦大学医療センター大森病院新生児科
キーワード:
チアノーゼ性心疾患
Keyword:
チアノーゼ性心疾患
pp.460-462
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002958
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先天性心疾患とチアノーゼ
チアノーゼ性心疾患とは,心内構造の異常により心内で右左短絡(つまり静脈血が動脈血に流入する)が生じ,全身に流れる動脈血中の酸素飽和度が低下している疾患である。多くの場合,肺血流が正常に比し低下する疾患が多い。表1に,先天性心疾患をチアノーゼの有無と呼吸障害の有無で大まかに分類したものを示す1)。肉眼的にチアノーゼと認識できる酸素飽和度は85%ぐらいといわれる2)。正常な心内構造であっても重篤な肺疾患ではチアノーゼを呈するが,この場合,換気不全や肺でのガス交換の不良が原因である。この場合は酸素飽和度の低下と肺疾患の重症度は比例しているため,チアノーゼ性心疾患と同じような酸素飽和度の評価はできない。また,チアノーゼ性心疾患であるのに正常に近い酸素飽和度を呈するのは,かえって異常高値と捉える場合もある。単心室系の心疾患では肺体血流量比を1に近づけるためには,経皮的酸素飽和度が80%台でも適正値であるので高い数値を目指す必要はない。したがって,このタイトル「チアノーゼ性心疾患でSpO2は何パーセントまで許容できる?」における明確な基準はない。しかし,実臨床においてはSpO2が75~85%のチアノーゼ性心疾患の児に対しては次のステップの治療段階ではあるが,緊急の対応はしていないのが現状である。また,生命維持に関わらない程度の長期の低酸素状態が続くと,代償的ヘモグロビンが徐々に上昇し多血症となる。したがって,チアノーゼ性心疾患児の貧血は要注意である。

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