特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅰ.母体・胎児編
(9)分娩時〔産科合併症〕
71.産科危機的出血において,フィブリノゲン値に留意せよ
福地 千恵
1
,
小田 智昭
1
Chie Fukuchi
1
,
Tomoaki Oda
1
1浜松医科大学産婦人科
キーワード:
産科危機的出血
,
フィブリノゲン
,
産科DICスコア
Keyword:
産科危機的出血
,
フィブリノゲン
,
産科DICスコア
pp.236-238
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002886
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産科危機的出血とDIC
分娩時出血量の90%タイルは,単胎の経腟分娩では800 mL,帝王切開では1,500 mLである1)。日本では2,000 mL以上の分娩時大量出血の頻度は1.1%であり,その出血原因については,弛緩出血が最も多く(44.9%),次いで前置胎盤が多い(13.0%)との報告がある2)。出産時に出血量が1,500~2,000 mLを超えてくると,フィブリノゲンを中心とした凝固因子の喪失が進み凝固障害が起こる3)。播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)の発症率は,出血量が2,000 mL台では7.3%,3,000 mL台で23.2%,4,000 mL台で47.8%,10,000 mL以上では必発である2)。

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