特集 産後過多出血への対応の留意点
特殊な状況での管理とその留意点
子宮内反症発症時の対応とその後の管理
新垣 達也
1
ARAKAKI Tatsuya
1
1昭和医科大学医学部産婦人科学講座
pp.662-666
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002740
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子宮内反症の病態・疫学1〜4)
子宮内反症とは,分娩後の子宮が内膜面を外方に反転した状態をいう。子宮底が陥没または下垂反転し,時には子宮内壁が腟内または外陰に露出する。分娩第3期,特に胎盤娩出時に発症することが多く,胎盤剝離面からの出血により急速に大量出血をきたし,母体ショックや妊産婦死亡の原因となりうる稀な産科救急疾患である。病因として,外因性と内因性がある。多くは外因性要因であり,胎盤剝離前の過度な臍帯牽引が最も重要な誘因とされる。その他,胎盤用手剝離,Crede胎盤圧出,子宮底マッサージなどの産科手技も原因となりうる。背景因子としては,癒着胎盤,過短臍帯,臍帯巻絡,進行の早い分娩などが挙げられる。内因性要因としては,子宮形態異常に伴う子宮筋の弛緩,多胎妊娠,巨大児,羊水過多など,子宮筋が過伸展または弛緩しやすい状態がある。また,外因性要因と内因性要因が複合的に関与して発症する場合もある。ただし,明らかな臍帯牽引や粗暴な操作がなくても子宮内反症を発症することがあり,胎盤娩出時には常に本症の可能性を念頭におく必要がある。

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