特集 クロスアップデート2026:相互理解のために知っておきたい最新知識
産科から新生児科へ
予知・予防 早産予防
大槻 克文
1
OTSUKI Katsufumi
1
1昭和医科大学江東豊洲病院周産期センター
pp.342-345
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002648
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はじめに
わが国の早産再発率は22〜30%と報告されており1),決して低くはない。一方で,周産期医療の進歩にもかかわらず早産率が低下しない理由は単一ではないと思われ,さまざまな方策がとられている。たとえば,子宮頸部を広範囲に切除,あるいは同部位がほとんど存在しない患者に対しては,妊娠前からの戦略的な対応が必要である。また,病因や病態,さらには治療方法が確立していない妊婦の「感染」が早産の原因となることは古くから知られていたが,早産の多くで子宮内感染,特に細菌性腟症や絨毛膜羊膜炎が関連していることは明白である。近年では妊娠前の子宮内や腟内の細菌叢環境が妊娠成立や生児獲得へ影響を与えているという報告が散見されており,後期流産や早産予防のためには妊娠前からの管理の重要性が注目されている。また,妊娠後において「上行性感染」に基づく一般的な流早産発症のカスケードを鑑みると,子宮収縮や性器出血などの切迫流早産徴候が明らかになってからでは,俗にいう「切迫流早産に対する対症療法(=tocolysis)」に依存せざるをえなくなる。したがって,「切迫早産」は発症したあとの対応よりも,その予防が第一である。

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