特集 周産期の感染症対策
各論:最近の傾向
妊娠中のコンジローマ
笹川 寿之
1
,
島田 菫
1
,
高倉 正博
1
SASAGAWA Toshiyuki
1
,
SHIMADA Sumire
1
,
TAKAKURA Masahiro
1
1金沢医科大学産科婦人科
pp.190-196
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002601
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はじめに
コンジローマはヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)6,11型による性感染症である。これを合併する妊婦から生まれた子どもに若年発症性再発性気道乳頭腫症(juvenile-onset recurrent respiratory papillomatosis:JORRP)という呼吸器疾患が発生することがある。これは治療に抵抗して再発を繰り返して呼吸困難を起こす難病である。日本の実態調査から,本疾患の発症を恐れて尖圭コンジローマ合併妊婦に帝王切開分娩を選択する施設が多いことが判明している。しかし,帝王切開ではJORRPは予防できないというのが最近の知見である。また日本ではイミキモドが多用されていており,帝王切開分娩を選択した妊婦の多くに外陰部病変があった可能性が高い。外陰部にできる尖圭コンジローマはみた目が悪い疣であり,この外陰部病変の存在がJORRP発生の主たる原因かどうか検討すべきである。HPV6,11型は外陰部以外に子宮頸部や腟にも病変を形成することは意外に知られていない。HPV母子感染の経路として産道感染が疑われているため,JORRPの発症予防のためには腟内に発生するコンジローマの管理がより重要であろう。

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