特集 周産期感染症2026
概論
3.妊産婦の免疫学的特徴
根岸 靖幸
1
Yasuyuki Negishi
1
1日本医科大学微生物学・免疫学教室/女性診療科・産科
キーワード:
NK細胞
,
マクロファージ
,
樹状細胞
,
好中球
,
制御性T細胞
Keyword:
NK細胞
,
マクロファージ
,
樹状細胞
,
好中球
,
制御性T細胞
pp.11-14
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002417
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
母体免疫寛容と妊娠維持
胎児は母方と父方の両方に由来するhuman leukocyte antigen(HLA)を有し,母体にとっては半同種異型の存在である。このような胎児を受容し妊娠を維持するには,免疫細胞やサイトカインが連携し,胎盤や胚の局所に免疫抑制的かつ抗炎症的な環境,すなわち母体免疫寛容が形成される。この寛容機構が破綻すると,流産や早産などの合併症が生じる。一方,妊娠の成立や分娩には適切な炎症応答も重要であり,初期には着床・胎盤形成に,末期には陣痛開始に炎症反応が関与する。また妊娠中,母体は病原体に対する防御機能も同時に保つ必要がある。このように,妊娠中の免疫系は免疫寛容と炎症応答のバランスをとりながら,時期に応じて柔軟に変化している。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

