研究
Acute phase reactantsスコアの経日的推移は早産児の臨床的背景を反映する
中村 利彦
1
,
草苅 倫子
1
,
後藤 玄夫
2
NAKAMURA Toshihiko
1
,
KUSAKARI Michiko
1
,
GOTO Haruo
2
1武蔵野赤十字病院新生児内科
2名古屋市立大学医学部附属西部医療センター小児科
pp.1522-1526
発行日 2025年12月10日
Published Date 2025/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002402
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はじめに
後藤は,NICUに入院する患児の少量の血液検体で感染症の有無を鑑別するために,3つの炎症マーカーであるC-reactive protein(CRP),α1-acid glycoprotein(AGP)およびhaptoglobin(Hp)を選択した。そして,マーカーごとの新生児基準値を経日的に設定して,その基準値を超えるか否かにより0点・1点を与え,合計で0点・1点・2点・3点としたacute phase reactants score(APR-Sc)というスコアリングを提唱した1)。現在,われわれは感染症に罹患した児の経過をAPR-Scで追跡し,急性期・亜急性期・回復期のどの時期にいるかを評価して,抗菌薬投与の終了時期を決定している2)。新生児感染症の診断にはその後種々の方法が提唱された。われわれもその間,感染症により血中で増加する炎症性サイトカイン(IL-6,IL-8,TNFαなど)とAPR-Scとの関連を報告してAPR-Scの有用性を示し,本診断法のグルーバル化を目指しており,すでに30年が経過した。APR-Scの長所には,3つの検査に必要な血清量が各10μLで計30μLと少量であり,測定は3分弱と短時間であること,さらに測定器がコンパクトで病棟内の一角にも設置可能であることが挙げられる。

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