特集 快適で安全な周産期の麻酔のために
各論:各施設の取り組み(無痛分娩の啓発と運用,周産期麻酔科外来)
計画無痛分娩
角田 陽平
1
Youhei Tsunoda
1
1日本医科大学産婦人科
pp.1354-1357
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002360
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はじめに
近年,わが国で無痛分娩を希望する妊婦が増加しており,2018年報告では全体の5.2%だった無痛分娩数割合が2024年には13.8%にまで上昇した1)。しかし,海外では無痛分娩はごく一般的な分娩様式であり,特に米国では70%以上の妊婦が区域麻酔を用いて分娩を行っている。産科麻酔を専門とする医師が院内待機もしくはオンコール待機となっており,24時間体制で区域麻酔の無痛分娩を提供しているとされている2)。一方日本では,海外で一般的である24時間受け入れ可能なオンデマンド麻酔を行っている施設は35%であり,65%で計画無痛分娩が行われている3)。当院は,産科麻酔を専門とした麻酔科医は常駐しておらず,産婦人科医・麻酔科医・助産師の多職種で密に連携をとりながら,人員確保と安全かつ快適な無痛分娩の達成のために計画分娩による無痛分娩システムを導入している。

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