特集 症例にマッチする分娩誘発アプローチ
8.無痛計画分娩における分娩誘発の留意点
金井 雄二
1
Y. Kanai
1
1北里大学産婦人科
pp.407-413
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001690
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無痛計画分娩を効果的に行うと母体の疼痛やストレスが緩和され,快適で満足度の高い分娩となる。計画週数は37週以降の頸管熟化が進み始めた頃で,麻酔導入は妊婦が希望した時点から内診所見にかかわらず開始する。無痛分娩は分娩第2期の遷延と器械分娩の頻度が多くなる。母児両方の予後改善を考え,初産婦で分娩第2期が3時間を超えたら介入を考慮したほうがよい。陣痛発来後に無痛分娩を開始した場合,麻酔薬投与開始後すぐに一過性除脈を認めることがあり注意が必要である。そのほか低血圧,体温上昇,シバリングや嘔気・嘔吐,局所麻酔中毒などが起こりうることを理解し,不測の事態に対応できるように準備をしておく必要がある。
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