特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
各論
栄養製剤
篠原 健
1
SHINOHARA Takeshi
1
1前橋赤十字病院小児科
pp.1125-1127
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002297
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
早産児,特に極低出生体重児や小児外科疾患を合併し経腸栄養を進めにくい児などにおいて,栄養製剤を用いた管理は重要である。胎児期の蛋白質,脂質,ミネラルなどの蓄積は主に妊娠後期以降に急速に増加するため,この時期より前に出生した早産児は十分な栄養素の蓄積がない状態で出生することとなる1)。これらの新生児は,早期に胎盤から切り離されることで,母体からの栄養の供給が停止し,栄養学的緊急事態に陥る。本来,子宮内で受け取るはずであった栄養を受け取れなくなることで,出生後に子宮内で想定される成長を維持できず,成長が遅れることがある。これを子宮外胎児発育遅延(extrauterine growth restriction:EUGR)といい,EUGRはその後の神経発達予後や身体発育に影響を及ぼす2)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.