特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
各論
鎮痛・鎮静薬
神山 寿成
1
KOYAMA Toshinari
1
1岐阜県総合医療センター新生児内科
pp.1094-1097
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002290
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
新生児医療において鎮痛・鎮静は,臓器の未熟性や薬物動体が不明瞭など,さまざまな理由から成人領域と比べこれまであまり注目をされることがなかった。近年,NICU入院中に痛みを伴う処置を多く受けた児のその後の発達への影響が報告されるようになった。新生児医療においても鎮痛・鎮静について検討がされるようになり,日本においては『NICUに入院している新生児の痛みのケアガイドライン』が作成され,鎮痛・鎮静の重要性が認識されるようになってきた。しかしながら,新生児に対して鎮痛薬・鎮静薬を使用するにあたり,薬物代謝,薬物血中動体のデータが乏しく,神経予後に与える影響が不明な点が多く,安全性への懸念が拭いきれていない状況もまた事実である。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.