今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction
病態と臨床経過
胎盤因子によるFGR
杉村 基
1
1浜松医科大学周産母子センター
pp.1576-1579
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100448
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はじめに
胎盤は妊娠40週の足跡の覗き窓と考えることができる.そのため,古くより胎盤内血栓や梗塞といった胎盤の病理組織学的所見と発育遅延の関連性が検討されてきた.現在では臨床的に出生前から超音波断層法やドップラ超音波診断法を用いてその形態や血流を推測し,胎児発育遅延(fetal growth restriction : FGR)の原因を探求する一助となっているが,FGRの原因としての胎盤因子は完全に解明されたというわけではない.
本稿では胎盤因子によるFGRについて概説し,さらに過凝固とFGRとの関連性について焦点を当て当科での研究を含め触れる.
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