今月の臨床 FGR─Fetal Growth Restriction
病態と臨床経過
母体因子によるFGR
亀井 良政
1
,
宮地 恵子
1
1東京大学医学部附属病院周産母子診療部
pp.1587-1589
発行日 2005年12月10日
Published Date 2005/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100450
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はじめに
胎児発育遅延(fetal growth restriction : FGR)は,胎児期には胎児死亡やnon reassuring fetal statusとなる頻度が高く,新生児期においても新生児仮死,低体温,低血糖,電解質異常,種々の感染症などをきたしやすい.また近年,成人病胎児期発症説にみられるような新たな病態概念が提唱され,胎児期からの注意深い管理がますます重要性を帯びてきている.
FGRの母体側の成因としては,表1に示すようなさまざまな要因が知られているが,本稿では特に母体合併症と体重増加不良を中心に,病態と臨床経過について述べたい.
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