特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅲ.CT診断 A.頭部
形成異常
伊地 俊介
1
,
横手 宏之
2
ICHI Shunsuke
1
,
YOKOTE Hiroyuki
2
1日本赤十字社医療センター脳神経外科
2日本赤十字社医療センター放射線科
キーワード:
brain malformation
,
computed tomography
Keyword:
brain malformation
,
computed tomography
pp.417-424
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001890
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はじめに
通常,脳形成異常の診断を目的に意図してMRIよりも積極的にCTを撮影することはないが,実臨床では痙攣やてんかん発作がみられたことをきっかけに,救急現場で撮影したり,ほかの外表奇形をきっかけにスクリーニングで撮影した画像に異常がみられるなどして,頭部CTでの脳形成異常を診断する機会がありうる。脳形成異常の正確な診断には,大脳皮質,脳回,脳溝,皮髄境界,脳梁や後頭蓋窩,頭蓋頸椎移行部の形態など,細かい部位や頭蓋冠から深い部位に存在する形態的異常を,高いコントラストや解像度で見極める必要があるため,CTよりもMRIでの診断が圧倒的に有用だが,本稿ではCTでもわかる異常,気づくべき形成異常について概説する。CTは短時間に撮影できる簡便な経過観察画像として,繰り返し施行されることも多いが,成人に比べて被曝の影響が大きい小児では,ディープラーニングなどによる再構成技術を活用することで,被曝線量が最小限になるよう最適化されたプロトコルにより検査し,診断のための情報を最大化する。
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