特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅰ.超音波診断 A.頭部
TORCH感染症
青木 亮二
1
,
森岡 一朗
1
AOKI Ryoji
1
,
MORIOKA Ichiro
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
石灰化
,
脳室
,
正中構造
Keyword:
石灰化
,
脳室
,
正中構造
pp.309-313
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001867
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はじめに
TORCH(toxoplasma, others, rubella, cytomegalovirus, herpes simplex virus)感染症での超音波診断の主な役割はスクリーニングであるが,超音波の性能の向上に伴い非常に多くの情報を得ることができる。TORCH感染症は母体の血液検査で事前に疑われている場合もあるが,母体の血液検査で確認されていない場合もある。事前にTORCH感染症が疑われている場合は,中枢障害の有無の確認を目的として超音波検査が施行されるが,母体の血液検査で確認されていない場合はsmall-for-gestational age児や呼吸障害など非特異的な所見でNICUに入院し,日常診療の頭部超音波検査によりTORCH感染症をスクリーニングする1)。そのため,日常診療の頭部超音波検査でTORCH感染症のポイントを絞ってスクリーニングに組み込む必要がある。TORCH感染症はサイトメガロウイルス,トキソプラズマや風疹など多数の感染症の総称であるが,脳室の拡大や脳実質の石灰化など多くの所見が共通している。本稿では,TORCH感染症で頭部超音波検査でのスクリーニングが可能である先天性サイトメガロウイルス感染症,先天性トキソプラズマ症および先天性風疹症候群の頭部超音波診断ついて概説する。
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