特集 DOHaDと周産期医療
DOHaDと周産期医療:DOHaDと新生児の長期的合併症
先制医療を目指すBMI活用による乳幼児期肥満スクリーニング―三豊市および観音寺市Myカルテ事業から―
尾崎 貴視
1,2
,
福岡 秀興
3,4
,
山地 博文
2
OZAKI Takashi
1,2
,
FUKUOKA Hideoki
3,4
,
YAMAJI Hirofumi
2
1おざきこどもクリニック
2三豊・観音寺市医師会
3早稲田大学ナノライフ創新研究機構
4福島県立医科大学
pp.1557-1561
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001794
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
肥満は多様な生活習慣病を引き起こす。そして生活習慣病は世界的に著しく増加しており,肥満の予防と効果的な介入は生活習慣病対策として重要な課題である。小児肥満は高い頻度で青年期・成人期の肥満へ移行する。肥満は年月を経て生活習慣病を引き起こし,疾病が顕性化していく。そのため肥満から生じる疾病に対して未病段階で対策を立てることで,より効果的な疾病予防効果が期待できる。現在成人の生活習慣病検診・メタボ検診が精力的に行われているが,これらはすでに疾病の(初期)段階をスクリーニングするものあり,その段階からの疾病予防に十分な効果が期待されるか疑問すらもたれている。そのため乳幼児・小児期の早期に肥満をスクリーニングし介入を行うことこそが,生活習慣病発症抑制にきわめて有効であることは自明といえる。これこそがBMI(カウプ指数)の推移を検討するMyカルテ事業の目指すものであり,まさに先制医療1)を具現化するものと考えている。以下に詳述する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.