特集 DOHaDと周産期医療
DOHaDの基礎研究・疫学研究
出生三世代コホート調査―妊娠高血圧症候群に関する成果―
小原 拓
1,2
,
石黒 真美
1,2
,
栗山 進一
1,2,3
OBARA Taku
1,2
,
ISHIKURO Mami
1,2
,
KURIYAMA Shinichi
1,2,3
1東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門
2東北大学大学院医学系研究科分子疫学分野
3東北大学災害科学国際研究所災害公衆衛生学分野
pp.1487-1493
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001779
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三世代コホート調査の目的とデザイン
東北メディカル・メガバンク計画(Tohoku Medical Megabank Project:TMM)三世代コホート調査は,東北大学東北メディカル・メガバンク機構(Tohoku University Tohoku Medical Megabank Organization:ToMMo)が,東日本大震災の被災者の健康増進のための支援と,被災地における個別化予防・医療の実現のために2013年から開始している出生三世代ゲノムコホート調査である1,2)。出生三世代ゲノムコホートデザインは,胎児期からの環境要因と三世代にわたる遺伝継承性(遺伝要因)それぞれの影響に加え,遺伝・環境相互作用を検討しうるものであり,遺伝要因と環境要因の両方の観点から,疾患の“missing heritability”3)の解明に貢献する可能性を秘めている点や,子どもの出生前からの情報を収集しているため,エピゲノムや各ライフステージに応じた遺伝・環境要因の検討が可能である点など,多くの有用性がある。
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