特集 妊娠高血圧症候群2024
基礎編:病態機序
酸化ストレス
渡辺 員支
1
WATANABE Kazushi
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.1340-1344
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001745
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はじめに
妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)は,妊娠時に高血圧を認める疾患で,母体の臓器障害や,胎児・胎盤の障害が発生し,母児の予後に影響を及ぼす可能性のある産科特有の疾患である。その基本病態は血管内皮機能障害で,母体では血圧の上昇,臓器障害を,胎盤における血管内皮障害からは胎盤機能障害を誘引し,胎児・胎盤血流障害から子宮内胎児発育不全(fetal growth restriction:FGR)が発症する。血管内皮機能障害の要因としては,複数の因子が考えられるが,妊娠中に亢進する酸化ストレスはその要因の一つと考えられている。
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