特集 オキュラーサーフェス診療アップデート
5.基礎研究と臨床とのつながり
ドライアイ
酸化ストレス・加齢とドライアイ
川島 素子
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
pp.310-313
発行日 2012年10月30日
Published Date 2012/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104483
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Point
1.涙液分泌量は加齢とともに減少し,ドライアイの発症率は加齢とともに上昇する。
2.加齢のメカニズムとして酸化ストレス仮説が提唱されているが,ドライアイの発症においても酸化ストレスが少なからず関与していることがわかってきている。
3.ドライアイは加齢だけでなくVDT負荷などさまざまな要因によって,涙液の減少や涙液の質の変化,眼表面の障害などを引き起こす多因子疾患である。
4.さまざまな原因のドライアイの背景にも酸化ストレスの関与があることが示唆されており,ドライアイにより引き起こされた酸化ストレスがさらにドライアイを増悪させるという悪性サイクルの存在が考えられている。
5.基礎研究のデータをもとに,酸化ストレスのコントロールを主眼にしたドライアイ治療の臨床応用の可能性がある。
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