特集 周産期(産科)の手術の工夫―筆者はこうしている
帝王切開術
腹壁縫合
小松 宏彰
1
KOMATSU Hiroaki
1
1鳥取大学医学部附属病院女性診療科群
pp.1110-1115
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001682
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はじめに
我々医師は治療現場で法的にヒトに『きず』をつけることが許されている唯一無二の職業である。特に産婦人科医は女性の身体(腹部)にメスを入れることになる。産婦人科医が行う最も多い術式は帝王切開術である。帝王切開術は現在,年間約150万件実施されており,年々増加傾向にある。帝王切開による胎児娩出のためには下腹部に大きな『きず』を要する。また,婦人科悪性腫瘍手術において,広汎子宮全摘出術や傍大動脈リンパ節郭清を要する子宮体癌ⅠB期以上の症例,卵巣癌のStaging手術などにおいても,現在の保険診療上では,ほとんどが臍をこえる高さに至るまでの大きな『きず』をつけなければならない。
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