Japanese
English
特集 縫合法—反省と再検討
腹壁の閉鎖縫合法
Closing method of the abdominal wall
脇坂 順一
1
Junichi WAKISAKA
1
1久留米大学医学部第1外科
pp.1079-1083
発行日 1975年9月20日
Published Date 1975/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206320
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腹壁内の手術操作が完了すれば当然腹壁を閉鎖しなければならないが,その直前に怠つてはならぬことは,腹壁内異物の除去である.異物があれば必ずそこに癒着を生ずるからである.貯溜した血液は完全に吸引排除し,凝血はピンセットやガーゼ,或は用手的に除去する.私共はこれに加えて38℃内外の温い生塩水を500mlずつ注入して腹腔内を洗浄し,血液の赤い色がなくなるまでくまなくこれを繰返している.小ガーゼ片など万一腹腔内に残留していると赤色を呈しているので見逃し易いが,洗浄することによつてその赤味が薄らぎガーゼ片を識別することができて都合がよい.またこの洗浄によつて諸種細菌や癌細胞などが排除されることになるので一石二鳥となる.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.