特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
応用編
新生児期に行う代表的な心臓手術(心内修復術)
平田 康隆
1
HIRATA Yasutaka
1
1東京大学医学部附属病院心臓外科
pp.1029-1033
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001654
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はじめに
心臓外科手術の技術,人工心肺や周術期管理の進歩に伴って,新生児心臓手術の成績は向上している。また,胎児診断の普及,進歩により,新生児期に手術が必要な心疾患に対する準備が出生前に整えられるようになってきたことも成績の向上に寄与していると考えられる。二心室循環に対する最終手術を一般的に心内修復術とよんでいる。このうち,心室中隔欠損,房室中隔欠損,Fallot四徴の心内修復術は新生児期に行われることもあるが,これらは必ずしも新生児期に行われるとはかぎらず,一般的には乳児期以降に行われることが多い。しかしながら,完全大血管転位に対する動脈スイッチ手術(Jatene手術),大動脈縮窄・離断複合に対する一期的手術,および総肺静脈還流異常に対する総肺静脈還流異常修復術は,その循環動態の特徴からおおむね新生児期に行われることが多い。
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