特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
コラム
慢性肺疾患と肺高血圧
中西 秀彦
1
NAKANISHI Hidehiko
1
1北里大学医学部附属新世紀医療開発センター先端医療領域開発部門新生児集中治療学
pp.1034-1038
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001655
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はじめに
近年の新生児医療の進歩により,これまで救命困難であった在胎期間28週未満の超早産児の生存率は大きく改善してきたが1),それに伴いより在胎期間の短い児における慢性肺疾患(CLD)の発症頻度は経年的に増加傾向にあり2),呼吸・循環管理において難渋する重症CLD症例も多く経験されている。特に超早産児におけるCLDの病態の特徴は,出生前後のさまざまな因子(感染,低栄養,酸素,人工呼吸管理,薬物など)により,発達途上の未熟な肺胞および肺胞微小循環系が障害を受け,発達が停止するという点にある。そのためCLDを合併した早産児では,急性期を脱した後も長期にわたり人工呼吸管理や酸素療法を必要としたり,呼吸器感染,栄養障害を引き起こす。
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