特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
応用編
胎児心疾患における胎児・妊婦の周産期管理
益田 瞳
1
MASUDA Hitomi
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.954-958
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001640
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はじめに
先天性心疾患は100人出生のうち1人に発生すると報告されているが,この統計には人工妊娠中絶や子宮内胎児死亡が含まれていないため,実際はその約5倍と推測される1)。先天性心疾患の出生前診断は現在世界中で一般的に施行されており,胎児心臓病学の進歩により,多くの先天性心疾患の胎児診断が可能となっている。胎児心臓超音波検査による形態および血行動態の正確な評価と重症度予測により,適切な分娩時期や分娩方法の選択,出生直後の外科的治療が可能となり,従来救命困難であった重症先天性心疾患の救命が可能となった。胎児診断の意義は非常に高く,小児循環器医には正確な診断技術と重症度に応じた適切な周産期管理を行うことが求められている。
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