特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 産科編
分娩の管理
遷延分娩・分娩停止
只川 真理
1
TADAKAWA Mari
1
1東北大学病院産科
pp.240-244
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001451
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はじめに
産科婦人科用語集・用語解説集では,「陣痛周期が10分以内になった時点から,初産婦で30時間,経産婦で15時間を経過しても児娩出に至らないもの」を遷延分娩と定義している1)。分娩所要時間が上記時間をこえると器械分娩,帝王切開術および新生児仮死の頻度が有意に増加する。分娩停止は「一度は分娩進行していたが,同様の陣痛が続いているにもかかわらず2時間以上にわたって分娩の進行が認められない状態」と定義され1),いずれも分娩第1・2期の区別はない。「遷延分娩」は安全に分娩を行うための時間を規定したものであるのに対して,「分娩停止」は分娩進行が停止したという状態を示した用語であるといえる。
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