特集 分娩管理
こんな時どう対処するか
遷延分娩のとりあつかい方
中嶋 晃
1
Akira Nakajima
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.121-123
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204997
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
分娩が遷延したという場合,何時間以上を指すかということは報告者によつて著しい差がある。しかし大よそ20時間以上とするのが妥当のように思われる。これは分娩所要時間の分布曲線から判定されたものではなく,20時間以上となると母児の予後が悪化するということにもとづいて設定されたものである1)。
遷延分娩は器質的,機能的に種々の要因が組み合わさつておこることが多い。しかし一般的に主な原因と考えられるものは,1.微弱陣痛,2.軟産道強靱による子宮口開大不全,3.児頭骨盤不均衡,4.回旋異常,5.胎位胎勢異常などがあり,特に前2者が高率に発生する。そしてこの2者はしばしば合併していることがあり,単独に分離できないことが多い。以下それらの原因別に遷延分娩の取扱いに重点を置いて記述する。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.