特集 発生から考えてみよう! 早産児診療の諸問題とその対応
Ⅱ.急性期の諸問題
呼吸窮迫症候群・慢性肺疾患
廣畑 晃司
1
,
難波 文彦
1
1埼玉医科大学総合医療センター小児科
キーワード:
肺発生
,
サーファクタント
,
呼吸窮迫症候群(RDS)
,
慢性肺疾患(CLD)
Keyword:
肺発生
,
サーファクタント
,
呼吸窮迫症候群(RDS)
,
慢性肺疾患(CLD)
pp.775-780
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001697
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SUMMARY
▷肺の発生は胎生3~4週から始まり,胚子期・腺様期・管状期・終末囊期・肺胞期の5つの段階を経てガス交換に必要な構造が発達していく.肺胞の発達は出生後,成人期まで続いていく.
▷管状期(受胎後16~26週)にサーファクタントの産生が始まるが,この時期に出生した早産児では産生が十分ではないため,呼吸窮迫症候群(RDS)を発症するリスクがある.
▷管状期~終末囊期(受胎後24~38週)は肺胞が発達する前の未熟な状態である.この時期の肺に出生前後の様々な侵襲が加わると,肺胞の正常な成長が停止し慢性肺疾患(CLD)を発症する.

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