増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
妊娠合併症
妊娠高血圧症候群での胎盤変化はどこまでわかっているか
成瀬 勝彦
1
,
柴田 英治
1
NARUSE Katsuhiko
1
,
SHIBATA Eiji
1
1獨協医科大学産科婦人科学教室
キーワード:
妊娠高血圧症候群
,
妊娠高血圧腎症
,
胎盤機能不全
,
Amsterdam分類
,
danger signal
Keyword:
妊娠高血圧症候群
,
妊娠高血圧腎症
,
胎盤機能不全
,
Amsterdam分類
,
danger signal
pp.71-73
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001242
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病態への胎盤の関わり
妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)の診断において,胎盤は機能不全の所見である胎児発育不全や,臍帯動脈血流ドプラ波形の途絶・逆流があれば妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)として厳重管理を求めるなど重視はされているものの,胎盤の病理学的所見は必須とされていない。これはHDPに特異的な胎盤の病理学的異常がなく,一方でHDPでよくみられる梗塞などが正常分娩した満期胎盤でも頻繁に存在するため,基準として定めるには偽陽性・偽陰性が多すぎるからである。
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