特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
総論
新生児の腸内細菌叢の形成
伊藤 淳
1
ITO Atsushi
1
1東京大学医学部附属病院小児科
pp.1557-1560
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001145
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
ヒトの常在細菌は皮膚や消化管,そのほかにそれぞれ固有の種類が住み着いている。この細菌全体を細菌叢とよぶ。ヒトの体を構成する細胞数が約60兆個といわれるのに対して,体内にはそれを上回る100兆個以上,種類にして2,000種類以上の細菌が存在する。圧倒的に数が多いのが大腸に住み着く腸内細菌の細菌叢であり,細菌の重さだけで1kgに達する。重さでは脳や肝臓に匹敵し,「第二の臓器」というよび方もされている。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.