特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
総論
新生児の消化管機能の特徴
米倉 竹夫
1
YONEKURA Takeo
1
1奈良県総合医療センター小児外科
pp.1547-1551
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001143
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はじめに
消化管の機能とは,口から摂取した糖質・タンパク質・脂質などの高分子化合物である栄養基質を,蠕動により口側から肛門側に移動させながら消化することで低分子化合物まで分解し,これを吸収し体内に取り込み,吸収できなかったものを便として排泄することである。蠕動,消化,吸収のいずれか1つが欠けても,消化管の機能は破綻し腸管不全(intestinal failure)となる。先天的または後天的に腸管不全をきたす疾患には,吸収不良症候群といわれる先天性腸症,大量腸管切除に伴う短腸症候群,Hirschsprung病類縁疾患などの腸管蠕動障害などがある1)。
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