特集 新型コロナウイルス感染症と周産期医療
総論
COVID-19の治療薬の変遷と現在使用できる治療薬の概要
森 雅亮
1,2
MORI Masaaki
1,2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科生涯免疫難病学講座
2聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科
pp.1434-1442
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001117
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はじめに
2019年に中国武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)は瞬く間に世界中に拡散し,世界を席捲し甚大な被害をもたらした。感染初期から,世界中の臨床の現場では,既存の薬剤のなかから本疾患治療に有効な薬剤を探索する試みが続けられてきた。2023年7月現在,わが国でCOVID-19に対して治療の適用を有する薬剤は,レムデシビル,モルヌピラビル,ニルマトレルビル/リトナビル,エンシトレルビル フマル酸,カシリビマブ(遺伝子組み換え)/イムデビマブ(遺伝子組み換え),ソトロビマブ(遺伝子組み換え),チキサゲビマブ(遺伝子組み換え)/シルガビマブ(遺伝子組み換え),トシリズマブ(遺伝子組み換え),バリシチニブ,デキサメタゾンの10種類となっている。本稿では,これまでの治療薬の変遷を簡便に紹介し,適用されている治療薬について概説する。
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