特集 数値からみる周産期医療 新生児編
栄養 静脈栄養
櫻井 基一郎
1
SAKURAI Motoichiro
1
1亀田総合病院新生児科
pp.1352-1355
発行日 2023年9月10日
Published Date 2023/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001091
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はじめに
新生児,特に早産児は胎内における母体からの栄養供給が,出生により途絶された状態である。さらに,その未熟性のため,経腸栄養の確立には時間がかかる。出生後早期の栄養状態の悪化を防ぐため,特に出生体重1,500g未満の極低出生体重児では,生後早期からの静脈栄養の使用が一般的となってきている。Neonatal Research Networkの報告では,早産児への中心静脈栄養の実施率は,2003年には30%程度であったが,2012年には80%以上に実施されている1)。中心静脈栄養の実施率は年々増加しており,早産児の予後を見据えたうえで静脈栄養はほぼ必須となっている。しかし,早産児という特殊病態下における静脈栄養は,乳児期以降の静脈栄養とは異なり,注意しなければならない点もある。また,静脈栄養自体が日々変化する体重や病態を考慮せねばならず,やや煩雑となることがある。本稿では,超早産児の静脈栄養を念頭において,開始前から開始中の留意点,特に関連する数値やその意義に焦点を当てて解説する。
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