特集 How to Follow-up―ハイリスク児フォローアップの必修知識2023
栄養と摂食
離乳食の進め方
水野 克己
1
MIZUNO Katsumi
1
1昭和大学小児科
pp.525-528
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000855
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はじめに
離乳食を与えることの意義には,母乳やミルクだけでは足りなくなる栄養を補うこともある。正期産で出生した児では生後6か月を過ぎると乳汁のみでは栄養が不足するようになるため,乳汁に加えて固形食を摂取することで,カロリー,たんぱく質,鉄,亜鉛などを含む栄養を適切に摂取できるようになる。また,離乳食は栄養面以外にも,歯,口の機能の発達からも重要である。正期産児では一般的に生後5~6か月から離乳食を開始するが,早産児においては,修正月齢だけでなく子どもの在胎週数や合併症などのバックグラウンドと食行動の発達を目安に始めて進めていくことになる。特に早産児では個人差もあることを両親に説明し,あまり焦らないように伝えておくとよい。“食べる” 主役は子ども自身であるので,子どもが食べたいという気持ちを促していくことが重要である。親が焦って無理やりスプーンを口の中に入れると,かえって子どもは食べることを嫌がることも少なくない。
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