特集 妊産婦死亡の現状と削減に向けた対策
総論
国際的な妊産婦死亡の状況
中田 雅彦
1,2
,
島袋 麻希子
1,2
,
小瀧 曜
1,2
NAKATA Masahiko
1,2
,
SHIMABUKURO Makiko
1,2
,
KOTAKI Hikari
1,2
1東邦大学医学部産科婦人科学講座
2東邦大学医療センター大森病院産婦人科
pp.331-335
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000811
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はじめに
世界保健機関(WHO)によると,2017年に世界中で29万5千人の妊産婦が命を落とし,1日に808人に相当している1)。その多くは,医療資源の乏しい状況で起こっており,大半は防ぐことができる。とくに低所得の国・地域において死亡率は高く,生涯を通じた妊産婦死亡率は高所得の国・地域と比較すると約130倍に上ると推計されている。このように,妊産婦死亡は世界各国の地域や状況によって大きく異なり,対策が可能であるがゆえに大きな課題となっている。
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