特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
新生児黄疸に対する治療開始基準―従来の村田の基準を使う
久保井 徹
1
KUBOI Toru
1
1国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター新生児内科
pp.58-61
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000747
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はじめに
新生児黄疸に対する治療開始基準は世界中に存在するが,もっとも有名なものは米国小児科学会(AAP)のガイドラインである1)。AAPのガイドラインは在胎週数と神経毒性リスク因子によって規定され,ノモグラムによってトレンドを経時的に追いかけながら管理できるのが特徴である。ただし,これらのもととなるデータは白色人種によるものであり,われわれ黄色人種のものではない。新生児黄疸管理には遺伝学的な背景が大きく影響するため,異なる人種データによる黄疸管理は現実的ではないうえ,産科管理も大きく異なっている。実際に米国外でAAPのガイドラインを使用する際は注意するように明記している1)。
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