特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
慢性肺疾患予防としての対応―カフェインを使用しない
竹田 知洋
1
TAKEDA Tomohiro
1
1日本赤十字社医療センター新生児科
pp.36-39
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000741
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
カフェインは新生児の無呼吸発作の治療薬として広く用いられる一方,慢性肺疾患(CLD)の予防についてもエビデンスを有する。2006年の大規模多施設RCT(CAP trial)では,出生体重500~1,250gを対象にカフェインを生後早期から使用し,プラセボ群と比べて統計学的有意にCLD発症率が低下(OR 0.63,95%CI 0.52~0.76)したことを示した1)。著者のSchmidtらは,プラセボ群でCLDの頻度が高かった主因は,陽圧換気の期間がより長期であったことであると推察している。カフェインのCLD予防効果は,カフェインの直接作用ではなく,人工換気期間の短縮による効果であることが示唆される。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.